住宅診断の概要
住宅診断とは、住宅の専門家が建物の状態を詳しく調査・検査し、劣化や欠陥があれば報告し、修理についてアドバイスする活動です。
このホームインスペクションと呼ばれる診断は、自宅のリフォーム計画や売買に役立つとされています。
住宅診断と健康診断
住宅診断は、健康診断と類似した役割を果たします。
自宅を売却する際には、診断によって住宅の状態を客観的に示すことができ、適切な価格で査定されやすくなります。
また、診断を受けた物件を購入する側にとっても、安心感を持って取引できる要素となります。
中古住宅市場での役割
中古住宅の売買では、定価が存在せず、査定によって価格が異なることがよくあります。
このような場合に、住宅診断が重要な役割を果たします。
具体的には、診断結果を基にした価格設定が可能となり、中古住宅の価格がより公正になり、信頼性のある売買が行われることが期待されます。
アメリカでは中古住宅売買においてホームインスペクションが一般的となっており、日本でもこの流れが進んでいます。
国土交通省の対策
日本政府は、中古住宅売買市場の活性化のために、ホームインスペクションの普及を目指しています。
具体的には、「既存住宅インスペクション・ガイドライン」というガイドラインを策定し、普及活動を行っています。
これにより、より信頼性の高い住宅診断が行われることが期待されます。
日本ではまだあまり馴染みが薄いかもしれませんが、この対策により住宅市場におけるホームインスペクションの需要が高まっていくことが期待されています。
参考ページ:ホームインスペクションの中古住宅は売る時に高く売れるのか?メリット・デメリットを解説
中古住宅のインスペクション・ガイドラインによる利用促進の効果
中古住宅のインスペクションは、売買の際に非常に重要な要素です。
従来のインスペクションでは、業者によって検査の基準やスキルに差があり、結果にもばらつきがありました。
しかし、国土交通省が2013年に策定した「既存住宅インスペクション・ガイドライン」により、事態は変わりました。
このガイドラインは、中古住宅のインスペクションを行う業者に統一した基準を提供するものです。
これにより、どの業者に依頼しても同じ基準で検査が行われ、同様の結果が得られると期待されます。
つまり、不動産売買において、インスペクションの結果による差がなくなり、より公正な取引が可能となるのです。
例えば、従来はインスペクションの結果にばらつきがあったため、売主と買主との間で価格交渉や修繕費用の負担について意見の食い違いが生じることがありました。
しかし、ガイドラインにより、検査結果が客観的で信頼性が高いものとなったため、トラブルを防ぐことができるのです。
また、ガイドラインの普及と共に、中古住宅のインスペクションに対する認識が高まりました。
売主や買主は、安心して検査を依頼できる業者を選ぶことができます。
さらに、ガイドラインの存在が周知されることで、不動産売買市場全体におけるトラストの向上にも繋がるでしょう。
このように、中古住宅のインスペクション・ガイドラインの利用促進により、中古住宅市場はより公正で透明性のある取引が行われるようになったのです。
売買の際にはぜひ、ガイドラインに準拠したインスペクションを利用することをおすすめします。